夢喰蟲は、夜と共にやって来る。宇宙から地球へ近づく、火星程の大きさの夢喰蟲。下顎骨のない頭蓋骨のような形状から、布のように広がって地球の夜側の上空を覆っていく。少年・Ｋ（１２）によると、宇宙の誰も夢喰蟲の姿を見たことがないという。ガラスをおもわせる、光を透過しつつ反射する体と、複雑怪奇な形状が「宇宙ステルス性」とやらを発揮するそうで、宇宙に流布する諸説を語っていく。名前の由来になった夢を食うというのも、宇宙中に拡散した無数の仮説の１つに過ぎないそうだ。そして、夢喰蟲の本来の目的、その役割を、宇宙の中で自分だけが知っているというが．．．．．．。